日本の技術を世界へ!!

ウガンダから帰国し、親族や友達に会ったり、旅行や遊びに忙しい日々を過ごしました。あっという間にドイツへ出発となり、3月6日にドイツへ無事辿り着きました。とても田舎の、落ち着く雰囲気の街です。まだ家を探しているような状況なので、こちらは落ち着いたら紹介していきます。


日本には素晴らしい企業が数多くあると思いますが、世界へ貢献していると肌で感じることができる企業について紹介しておきます。

この企業を知ったのは、ウガンダで生活しているときでした。ウガンダ人のエンジニアで、日本で2ヶ月程度の研修に参加してきた2人に会いました。話を聞くと、彼らは目を輝かせ、遠い世界へタイムスリップしてきたかのように活き活きと日本での経験を語っていました。
「日本で医療機器の研修・・・?」

そこから興味を持ち始め、その企業をつきとめ、コンタクトを取ることができました。話を聞くと、JICAから委託され、医療機器のトレーニングを世界中の方々を対象として行っていると聞きました。そんな素晴らしい企業が日本にあることを知りませんでしたので、このトレーニングに参加してみたいと思い、参加を依頼してみました。すると、あっさりOKしていただき、実現することとなりました。
場所は福島県郡山市。日本国内とはいえ、宮崎県から遠く離れた地でのトレーニングです。

2月15日。宮崎から東京へ飛び立とうとしましたが、まさかの欠航…宮崎は晴れていて全く問題ないのに、関東地方は大雪で大変な事態に陥っているようでした。
仕方なくその日は宮崎市内に宿泊し、翌日に東京へ行くこととなりました。翌日、東京を経由して一気に福島県へ。新幹線は運行していましたが、風と大雪の影響でスピードが出せないらしく、1時間くらいの遅れが出ていました。
それでも何とか夕方には郡山駅に到着することができましたが、そこには大変な光景が広がっていました。積雪はヒドイところで約80cm。バスは運行できず、タクシーはチェーンを巻いて何とかゆっくり走っているような状態。駅前には、タクシーを待つ長蛇の列ができていました。平均でタクシーを2時間以上待っているとのことだったので、歩いてホテルへ向かうことにしました。



普通に歩いて15分くらいかかる距離のホテルでしたが、雪道を1時間近く歩いてようやく到着しました。歩道にも大量の雪が積もっていて、荷物は重いし、気持ちが折れそうでした。



そして翌日月曜日にはトレーニング開始です。
現在はアフリカのフランス語圏からの参加者向けのトレーニングを行っている最中でした。参加者は、ベナン共和国ブルンジ共和国コンゴ共和国ジブチ共和国ハイチ共和国セネガル共和国から全部で9人です。彼らには寝泊り用の部屋がそれぞれ用意されており、寒い気候に慣れていないので、防寒着も支給されており、初めての日本でも問題なく生活できるようになっていました。

講師は医療機器メーカーの重鎮と思われる経験豊富なエンジニアを招いてのトレーニングでした。開発、営業や修理などに関わってきた、医療機器メーカー直々のトレーニングは、とても価値あるものでした。授業は日本語で、フランス語への通訳がついて行われていました。翻訳者も重要人物の1人です。



フランス語圏から来ている参加者とはいえ、英語も知っているのでコミュニケーションをとることもできました。海外の語学教育は進んでますよね。

自分はウガンダで日本製の医療機器にたくさん出会い、苦戦してきたことを思い出しました。自分でマニュアルを読んで、自分なりのマニュアルを作成したり、使い方のトレーニングをやってきたり、試行錯誤やってきました。自分がウガンダでやってきたことを、復習や訂正することができる、役に立つ情報ばかりでした。

自分も医療機器メーカーに勤務した経験があるので強く思いますが、病院で働く医療機器のユーザーよりも、大学で医療機器を教えている先生よりも、やっぱり医療機器を製造、販売しているメーカーが一番確実で正確な情報を持っています。
その中でも、メーカーに数十年勤務されている方々を招いての講義など、贅沢すぎます。



このトレーニングは、座学に限らず、実技、工場見学、観光など盛りだくさんです。このような貴重な経験をアフリカの方々へ積ませ、それぞれの国に知識を持ち帰って活かされる。こんな素晴らしい事業を行っているこの企業には、本当に感心させられます。


電気メスで大根を切る実技の授業。


日本でこのように海外の方々を対象とした医療機器のトレーニングを行っているのは、日本でこの企業だけらしいです。
また、彼らの文化にも触れることができました。自分はウガンダで撮った写真をプリントアウトしたものを持参したのですが、「俺の国はこうだ、あーだ」と、食いつきが良かったです。そして親近感を持ってもらえることができました。セネガルから来ていた参加者がセネガル料理を振る舞ってくれ、夕食を共にすることもありました。

セネガル料理「チェブジェン」。具材はいろいろと変わるようですが、このときは鶏肉、玉ねぎ、ピーマン、ニンニクなどをご飯にかけたもの。スプーンを添えてくれましたが、セネガル風に手でいただきます。


みんな工夫しながら日本での生活を楽しんでいます。


ウガンダに行く前に、このトレーニングに参加していれば…」と思いました。もっと貢献できていたと思います。
レーニングは約3か月続きますが、時間と金が持たず、自分が参加できたのは、たった1週間です。しかしそれだけでも、有意義な時間を過ごすことができました。
ドイツへ出発する前に、このような企業に出会えて、本当に良かったです。



貴重な経験をありがとうございました!


Ichimasa